『聲の形(こえのかたち)』は確かにすごいマンガだった

『聲の形(こえのかたち)』を読んだ。

聲の形(1)

聲の形(1)

全7巻で、それほど大きくないボリュームだったこともあり、年末に全巻買って一気読みした。
さすが「このマンガがすごい!2015 オトコ編 第1位」、確かにすごいマンガだった。

あらすじ

主人公である石田将也(いしだしょうや)は、小学生時代に転校してきた聴覚障害者である西宮硝子(にしみやしょうこ)に興味を持つ。
事あるごとに硝子に対してちょっかいを出す将也だったが、それは次第に将也を中心としたクラス内でのいじめに発展していく。
ある日、ついに校長を交えた学級会が開かれる事態となるのだが、結果として将也だけがいじめの責任すべてを押し付けられることとなり、それを機に将也自身が新たないじめの標的となってしまう。

硝子はそんな将也に歩み寄るが、結局互いに分かり合えぬまま硝子は転校してしまう。
小学校を卒業したあとも将也の孤独は変わることなく、ついに将也は自殺を決意。
自殺する前に自分が犯した罪を償うため、将也は硝子に会いに行く。
この二人の再会が、後に二人とその周囲にいる人々の人生を大きな影響を与えることになる。

感想

このマンガ、1巻は読んでいてとにかく辛い。ホントに辛い。 ちょっかいが度を越えたいじめに変わっていくところとか、新たにいじめが始まる瞬間とか、今まで味方だった、或いは我関せずといった態度をとっていた人たちの掌返しとか。
マンガだからこその誇張した表現はあれどリアリティがあり、読み進めていてしんどくなってくるわけだが、それでも先を読みたいと思わせられてしまう。
(これは、二人が再会したとき果たしてどうなっていくのかが堪らなく気になった...のもあるが、何より第一話に登場する表情豊かで抜群に可愛かった高校生の西宮硝子をもっと見たかったからというのも、あったりなかったり。)

二人が再会したあとの話が続く2巻以降も、すんなりハッピーエンドへと向かっていくわけではない。
登場する人物それぞれが、壁にぶち当たり、考え、苦しみつつも、自分の想いを何とか周りに伝えようと必死になる。

人と関わっていく中で、自分の気持ちが100%伝わるなんてことはほぼない。たとえ伝えようとどんなに努力したとしても、である。
その難しさ、辛さを改めて思い知らされる一方で、それでも向き合い続けることで得られる"何か"を掴めるような気がする、そんなマンガだと思った。

あと、所々での笑いを誘う描写はホントに吹き出してしまう。
とりあえず、永束はうんこ頭はともかくセクハラはやめたほうがいいと思う。

最後に、西宮硝子の可愛さに惹かれて読み進めた結果、最終的には植野直花派になってしまったのはどうしようもない。